スキルアップインストラクターコラムFor Diversオーナーブログ

40年インストラクターを続けて分かった、本当に上達するダイバーの共通点

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今日は定休日。
梅雨ではあるけど、晴れ間のある一日。
最高気温も26℃くらい。
午前中は体のメンテナンス。
面白いのが、癖なんだけど、シリンダーを背負う時は右肩からなんです。
そのせいで、右の肩が下がってるんだって・・・。
ストレッチしなくちゃ。
ダイブテリーズ

こんにちは!
PADIインストラクターの我妻です。
海の魅力にとりつかれ、気づけばダイビングインストラクターとして40年の歳月が流れていました。

これまでさまざまな海で、初心者からプロ志望の方まで、何千人ものダイバーを指導してきました。
その中で、私はある「確信」に至りました。

それは、「本当に上達するダイバーには、年齢や運動神経、性別に関係なく、絶対に共通する特徴がある」ということ。

世間では「運動神経が良いからすぐ上手くなる」「若ければ若いほど有利」と思われがちですが、それは大きな誤解です。
最初の数本こそ差が出るかもしれませんが、50本、100本と経験を重ねたときに、本当に美しく、安全で、海と一体になれるダイバーは、全く別の能力を持っています。

今回は、私が40年間の指導人生で目撃してきた「本当に上達するダイバー」の5つの共通点についてブログで書いてみます。

「器材を道具ではなく、自分の身体の一部」として扱っている

上達が早いダイバーは、とにかく器材の扱い方が丁寧。
そして、器材に対する「理解の深さ」が格段に違います。

なかなか上達しないダイバーほど、セッティングを人任せにしたり、器材を雑に地面に置いたりしがちです。
しかし、本当に上達する人は、以下のような行動を無意識に取っています。

  • マイ器材の細かな変化にすぐ気づく(ストラップの傷み、Oリングの乾燥など)
  • セッティングの際、なぜその向きで、なぜその位置なのかをロジックで理解している
  • 水中での器材の「重さ」や「抵抗」を常に意識している

ダイビングは、100%器材に依存するアクティビティ。
水中という異世界で、自分の命を預ける相棒をどれだけ信頼し、使いこなせているか。

上手いダイバーの水中姿勢(トリム)が美しいのは、ただ体幹が強いからではありません。
「BCやドライスーツのどこに空気が溜まっていて、それがどう自分の傾きに影響しているか」を、身体の感覚として解釈できているからです。
器材を愛し、理解することが、上達への最短ルートなのです。


「ゆっくり、深く」をコントロールできる、圧倒的な呼吸の意識

ダイビングの格言に「呼吸を止めるな」というものがありますが、本当に上達する人は、ただ止めないだけでなく、「呼吸で自分の浮力をミリ単位でコントロール」しています。

初心者や伸び悩むダイバーは、水中で不安になると呼吸が浅く、速くなります。
これは「犬の呼吸(パンティング)」のような状態です。
これでは肺の空気が完全に入れ替わらず、浮力コントロールが乱れるだけでなく、疲労やパニックの原因になります。

一方で、1ランク上のダイバーは以下のような呼吸を徹底しています。

【上達するダイバーの呼吸法】

吸うのに4秒、止めるのではなく「一瞬ためる」ようにして、吐くのに6秒。
常に肺の容積を一定の範囲内で緩やかに変化させる。

彼らは、自分の肺を「浮力調整装置」として使っています。
「少し浮きたいから、いつもよりほんの少し深く吸おう」
「少し沈みたいから、息をしっかり吐ききろう」

この呼吸による浮力コントロール(肺コントロール)が体に染み付いているため、無駄なBCへの吸排気がなく、結果として驚くほどウエイト(重り)が軽くなり、エア持ちが圧倒的に良くなります。


「何もしない時間」を恐れない、高い自己管理能力

水中でバタバタと常に手足を動かしているダイバーを見かけることはありませんか?
実は、「上手なダイバーほど、水中で何もしていない」というのが、40年間で見出した真理です。

本当に上手いダイバーは、フィンキックのひとかきで驚くほど長く進みます。
そして、進んだ後は次のキックまで「惰性で進む時間」をじっと楽しんでいます。
手は胸の前や体の脇で綺麗にまとめられ、決して犬かきのように水をかくことはありません。

なぜこれができるかというと、「自分の状態を客観的に見つめる心の余裕」があるからです。

  1. いま、自分は中性浮力が取れているか?
  2. バディ(相棒)との距離は適切か?
  3. 残圧(シリンダーの空気の残り)はいくらか?
  4. 周りの潮流はどう変化しているか?

これらを冷静に観察するためには、動きを止める必要があります。
上達する人は、水中での「静寂」や「静止」をコントロールできる人なのです。


「失敗や不安」を隠さず、インストラクターに言葉で伝えられる

私が40年間で最も「この人は伸びる!」と確信するのは、講習中やファンダイビングの後に、自分の非力さや不安を素真に開示できるダイバー

逆に、プライドが邪魔をして「大丈夫です」「できてました」と言い張る人は、ある一定のレベルから全く伸びなくなります。

本当に上達する人は、ログ付け(記録付け)の時にこんな質問をしてきます。

「さっきの安全停止のとき、どうしても体が浮き気味になっちゃったんですけど、何が原因だと思いますか?」
「水深15メートルあたりで一瞬、軽い圧迫感(恐怖心)を感じたんですが、どう対処すればよかったですか?」

このように、自分の感覚を言葉にできる人は、次のダイビングで必ず修正してきます。
ダイビングは自然を相手にするアクティビティ。
強がりは命取りになります。
自分の弱点と素直に向き合える知性と誠実さを持っていること
これこそが、一流ダイバーへの共通切符です。


 海に対する「謙虚さ」を、100本、1000本潜っても忘れない

最後に、これが最も重要かもしれません。
本当に上手なダイバーは、どれだけ経験を積んでも海に対して絶対に傲慢になりません。

皮肉なことに、ダイビングで最も事故を起こしやすいのは、完全な初心者ではなく「50本〜100本」前後の、少し慣れてきた中級者。
「もう何でもできる」と過信し、体調が悪くても無理をしたり、ガイドの指示を無視して勝手な行動をとったりするからです。

しかし、40年続けてもなお、私が本当に「プロフェッショナルだな」と尊敬するベテランダイバーたちは、驚くほど謙虚です。

  • どれだけ透明度が良くても、バディシステムを徹底する。
  • 少しでも体調に異変(寝不足、軽い風邪など)があれば、潔くダイビングをキャンセルする。
  • 海に入る前には、必ずその日の海況(波、風、流れ)を自分の目で見て確認する。

彼らは知っているのです。
海は優しく美しい場所であると同時に、人間の命を一瞬で奪う圧倒的な大自然であるということを。
海を恐れるのではなく、リスペクトする。その謙虚な姿勢があるからこそ、トラブルを未然に防ぎ、常にリラックスした状態でダイビングを楽しめるため、結果として誰よりも上手に見えるのです。


上達とは「技術」ではなく「心のあり方」

40年間、多くのダイバーを見てきて思うのは、ダイビングの上達とは、アクロバティックな泳ぎができるようになることでも、誰よりも深く潜れるようになることでもありません。

本当に上達するダイバーとは、「自分の身体、器材、そして海の状態を冷静に把握し、完全にコントロールできている人」です。

もしあなたが、「もっと上手くなりたい」「中性浮力をマスターしたい」と悩んでいるなら、まずは次のダイビングで以下の3つだけを意識してみてください。

  1. 器材を丁寧に扱い、愛着を持つこと
  2. 水中で「ゆっくり吐く呼吸」に集中すること
  3. わからないこと、不安なことはプロに素直に聞くこと

運動神経は関係ありません。海へのリスペクトと、自分を客観視する少しの心の余裕があれば、あなたのダイビングは劇的に変わります。

あなたの次のダイビングが、より安全で、より感動に満ちたものになることを、心から願っています。
海の中で、お待ちしています。
私たちがお手伝いします。
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TORU

我妻 亨(わがつま とおる) PADIコースディレクター No.801010 ダイブテリーズのオーナー兼史上最強雑用係 ダイビングは42年目。PADIインストラクターは38年! 日本国内の南の島のリゾートガイドダイバーから1990年にPADIコースディレクター認定、現在に至る。 ダイビングに関してのことならなんでもご相談ください。 ダイビングのこと、ダイビングの中の話など、書きますのでぜひよろしく!もちろん日常のつぶやきも!いろいろ書くのでお楽しみに!

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