ダイビングをスタートする人向けインストラクターコラムFor Diversオーナーブログ

マスクに水が入るからとストラップをきつく締めるの、実は完全に逆効果です!

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こんにちは!
PADIインストラクターの我妻(わがつま)です。
ダイビングって本当に最高ですよね。
青い世界に身を包まれて、魚たちと同じ目線で泳ぐあの感覚。
日常のストレスなんて一瞬でどこかに吹き飛んじゃいます。

でもね、そんな楽しいダイビングの最中、ぶっちゃけ一番テンションが下がる「イライラ原因トップ10」に確実に入るトラブル、ありませんか?

そう、「マスクに水が入ってくる問題」です。
ダイブテリーズ

せっかくキレイなクマノミを見つけたのに、目がシパシパして見えない!
鼻に水がツンと入って溺れそうになる!
もう気になって気になって、水中景色どころじゃない……。

そんな時、ボートの上や水面で、必死の形相でマスクのストラップを「ギュウウウウウッ!」って親の仇みたいに目いっぱい締めているダイバーさんを本当によく見かけます。

気持ちは痛いほど分かります。
水が入んだから、もっと強く顔に押し付ければ止まるはず!って思いますよね。

でもね、インストラクターの僕から言わせてください。

「それ、実は完全に逆効果なんです!!」

今回は、なぜストラップをきつく締めると水が入ってくるのか、そしてその裏で起きている悲劇について、今日は書いてみようと思ってます。
これを知ってやってみるだけで、次のダイビングが100倍快適になること間違いなし!


悲劇の始まり:なぜ締め付けると水が入るのか?

「えっ、きつく締めた方が隙間がなくなって水が入らないんじゃないの?」って思いますよね。普通はそう考えます。

物理の教科書っぽく言うと、こういうことです。

ダイビングマスクの顔に触れる部分(スカートって呼びます)は、柔らかいシリコンでできていますよね。(普通はね。)
あのシリコンは、「顔のラインに優しく沿うことで、水圧を利用してピタッと密着する」ように設計されているんです。

それなのに、ストラップをギチギチに締めてしまうとどうなるか。

  1. シリコンが歪む(ひずむ)

    強すぎる力で引っ張られたシリコンは、本来のキレイな形を保てなくなって、グニャッと折れ曲がったり、シワが寄ったりします。
    その「シワ」こそが、水が侵入する絶好の「通り道(隙間)」になっちゃうんです。

  2. 顔の表情で隙間ができる

    ストラップをきつく締めると、マスクが顔のお肉をグッと押しつぶします。
    その状態で水中に入り、レギュレーターをくわえたり、ちょっと笑ったりして表情を動かすと、押しつぶされていたお肉が動いて、やっぱり隙間ができてしまうんです。

つまり、良かれと思って締めたストラップのせいで、自ら「水の通り道」をクリエイトしてしまっているという、なんとも切ないパラドックスが起きているわけです。


さらに襲いかかる「耳の痛み」の恐怖

ストラップをキツく締める弊害は、水が入ってくることだけじゃありません。
もう一つ、めちゃくちゃ辛いおまけがついてきます。

それが、「耳の上の痛み」です。

焦ってストラップを締め上げている時って、大抵位置の調整もおろそかになりがちです。気がつくと、ストラップが耳の上側にガッツリ乗っかっていたり、耳を挟み込んだりしていませんか?

「最初はちょっと違和感あるけど、まぁいっか」

なんてそのまま潜降していくと……さあ大変。

水中にいる間中、硬いゴムやシリコンのバンドで耳の付け根をずーーーっと圧迫され続けることになります。

ダイビングを始めて15分、20分と経つうちに、最初は小さな違和感だったものが、だんだん「ジンジン…」「ズキズキ…」とした激しい痛みに変わってきます。
こうなるともうダメです。
耳が痛くて集中できないし、おまけにマスクには相変わらず水が入ってくるしで、楽しいはずの水中ツアーが、ただの「苦行」に早変わり。

エキジットしてマスクを外した瞬間、耳の後ろが真っ赤になっていて、触るだけで激痛…なんて経験、ありませんか?せっかくの楽しい思い出が、痛い思い出で上書きされちゃうなんて、本当にもったいないです!


じゃあ、理想の締め具合ってどれくらい?

「じゃあ、どれくらいの強さで締めればいいの?」って話ですよね。

結論から言います。
「水面でマスクを顔に当てて、鼻から息を吸った時に、ストラップがなくても顔に張り付いているくらいの強さ」

……と言っても分かりにくいですよね((笑))。

もっと直感的に言うなら、「陸上でつけてみて、ちょっと緩いかな?ズレ落ちなければいいや」くらいで十分なんです。

「えっ、そんなに緩くて大丈夫!?」と不安になるかもしれません。
でも大丈夫。水中に入ると、周りから「水圧」という目に見えない優しい力がマスクを顔に向かって均等に押してくれます。
この水圧のおかげで、ストラップをきつく締めなくても、マスクは自然と顔にフィットするようになっているんです。

ストラップの本当の役割は、マスクを顔にギチギチに固定することではなく、「マスクが横にズレたり、ポロッと外れたりするのを防ぐための『命綱』」程度に考えておくと、ちょうどいいバランスになります。

目安としては、マスクを外した時に、顔に「泥棒のコント」みたいな真っ赤なマスク跡がクッキリ残っている人は、確実に締めすぎです((笑))。


ほかにもある!水が入ってくる意外な原因

「ストラップを緩めてみたけど、やっぱり水が入るよ!」という方。もしかしたら、原因はストラップの強さ以外にあるかもしれません。
よくある原因をいくつか挙げてみますね。

  • 鼻から息を吐いてしまっている(マスクが上にズレる!)

    実はこれ、無意識にやっちゃっている人がすごく多いんです!
    ダイビングの基本は「口呼吸」ですが、陸上の癖でどうしても鼻から息を少しずつ吐いてしまうことがあります。
    鼻から空気を出すと、マスクの下から空気が逃げようとして、マスク自体をどんどん上に押し上げていっちゃうんです。
    マスクが上にずれていくと、鼻の下や目元に隙間ができて、結果として「なんか水が入ってくる感じがする!」という状態になります。
    心当たりのある方は、水中では「100%口だけで呼吸する」ことを意識してみてくださいね。

  • 髪の毛が挟まっている

    前髪やサイドの髪が、マスクのシリコンの内側に入り込んでいませんか?髪の毛1本挟まっているだけでも、水にとっては立派な「高速道路」になります。装着したら、必ず指で周りをなぞって髪の毛を出してあげましょう。

  • フードの被り方

    冬場やウェットスーツのフードを被る時、フードの上にマスクを重ねていませんか?これも隙間の原因になります。

  • レギュレーターをくわえた時の口の形

    レギュレーターをくわえると、どうしても口角が上がって、ほうれい線のあたりに隙間ができやすくなります。特に「ウ」の口を意識しすぎると水が入りやすいので、リラックスして「エ」に近い形で、優しくくわえるのがコツです。

  • そもそもマスクのサイズが合っていない

    人間の顔の形は千差万別。鼻の高さ、頬骨の出っ張り、顔の幅……。
    レンタルマスクや、試着せずに買ったマスクだと、どんなに調整しても合わないことがあります。


水が入ってもパニックにならないために

どれだけ気をつけていても、水が100%入らないマスクはこの世に存在しません。
前述の通り、水中でおしゃべりしたり、笑ったりするだけで、ほんの少しは入ってくるものです。

大切なのは、「水が入ってきたら、マスククリアをすればいいだけ」と、涼しい顔で構えていられる心の余裕です。

「水が入ってきた!どうしよう!ストラップ締めなきゃ!」とパニックになるのが一番危険。
水が入ってきたら、慌てず、騒がず、鼻からフーーッと息を吐き出して、水を追い出してあげましょう。

もし、この記事を読んで、

「理屈はわかったけど、自分のマスクの正しい位置がイマイチわからない…」
「髪の毛が入らないようにするコツって?」
「マスククリアがどうしても苦手で、水が入ると焦っちゃう!」

という方がいたら……

具体的に知りたい人は、ぜひ僕と一緒に潜ろうね!

海の中という実践の場で、あなたの顔の形やクセを見ながら、「これくらいがベストだよ」「こうすると水が入らないよ」って、優しく直接アドバイスします。

道具の正しい使い方と、ちょっとしたコツさえマスターすれば、ダイビングは今までの何倍も快適で、何倍も楽しくなります。
ストレスフリーな青の世界を、ぜひ一緒に体験しましょう!

次回のダイビングでは、ぜひストラップを「ちょっと緩め」にセッティングして、水の入らないマスクでダイビングしましょうね。
詳しくはお問い合わせください。

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TORU

我妻 亨(わがつま とおる) PADIコースディレクター No.801010 ダイブテリーズのオーナー兼史上最強雑用係 ダイビングは42年目。PADIインストラクターは38年! 日本国内の南の島のリゾートガイドダイバーから1990年にPADIコースディレクター認定、現在に至る。 ダイビングに関してのことならなんでもご相談ください。 ダイビングのこと、ダイビングの中の話など、書きますのでぜひよろしく!もちろん日常のつぶやきも!いろいろ書くのでお楽しみに!

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