安全に、そして海にやさしく楽しむために知っておきたいこと
こんにちは!
浜松、ダイブテリーズの我妻です。
いよいよお盆休みWEEKも終盤に入りましたね。
連休中、海へ出かけた方、これから駆け込みで海に向かう方、それぞれの夏を楽しまれていることと思います。

この時期の海は水温も上がり、賑やかで本当に気持ちが良いものです。
ただ、毎年このニュースが増える時期でもあります。
海の事故の報道を目にするたび、一人のダイバーとして、そして海案内人として胸がキュッと締め付けられる思いがします。
海は私たちに最高の癒やしと興奮を与えてくれますが、同時に一歩間違えれば大きなリスクを伴う自然環境でもあります。
「せっかくの休日を最高の思い出で終わらせてほしい」「そして、この美しい海をこれからもずっと残していきたい」——そんな思いから、今日は安全な潜水と、私たちが海で守るべきマナーについて、少しじっくり書いてみようと思います。
肩肘張らずに、読んでもらえたら嬉しいです。
スノーケリングやダイビングを安全に楽しむための必須知識
「海に入る」と言っても、海水浴からスノーケリング、スキンダイビング、そしてスキューバダイビングまでスタイルは様々です。
どれも素晴らしい体験ですが、共通して言えるのは「自分の限界を知り、道具を正しく使うこと」です。
最近特に気になるポイントや、事故を防ぐために頭に入れておいてほしい基本的な知識をいくつか整理してみました。
1. 浮力の確保と体調管理は大前提
どんなに泳ぎが得意な方でも、足のつかない海では「予期せぬトラブル」が起こり得ます。
足がつった、波を飲んだ、急な流れに巻き込まれた……そうした時に命を救うのは泳力ではなく「浮力」です。
スノーケリングであっても、ライフジャケットやウェットスーツの着用は必須だと考えてください。
また、連休後半で疲れが溜まっている時の海は禁物です。
寝不足や前夜のお酒が残った状態での入水は、判断力を鈍らせ、思いがけないアクシデントを引き起こします。
「今日は少し体調が怪しいな」と思ったら、浜辺で波の音を聞いて過ごす勇気も、海を楽しむ上ではとても大切なスキルです。
2. フルフェイス型スノーケルマスクの正しい理解と注意点
ここ数年、顔全体を覆うタイプの「フルフェイス型スノーケルマスク」を着用している方を海で見かけるようになりました。
「鼻でも呼吸ができる」「視界が広い」ということで人気を集めていますが、実は使用に際して注意が必要な道具でもあります。
- CO2(二酸化炭素)の滞留リスク
構造上、内部の容積が大きいため、吐いた息(CO2)がマスク内に溜まりやすい傾向があります。
息が上がったり、浅く速い呼吸を続けていると、無意識のうちに二酸化炭素中毒に陥り、意識を失う危険性があります。

- 潜水(素潜り)には向かない
フルフェイスマスクは基本的に「水面に浮かんで水中に顔をつける」ためのもの。
そのまま潜ろうとすると、耳抜きがしにくかったり、水圧でマスクが顔に押し付けられてパニックになったりすることがあります。
道具にはそれぞれ得意・不得意があります。
もしご使用になる場合は、自分の呼吸に合っているか、息苦しさを感じたらすぐに外せるかを確認し、無理な運動や長時間の連続使用は避けるようにしてください。
海を愛するダイバーとしてのマナー〜Green FinsとProject AWARE〜
安全に楽しむことと同じくらい大切なのが、「私たちが海に与えるインパクトを最小限にすること」です。
水中世界は、そこに住む生き物たちの家です。
私たちは「お邪魔させてもらっている居候」のような存在。
彼らの生活空間を壊さないための世界的な取り組みや、日常の潜り方で意識できるマナーを紹介します。
グリーン・フィンズ(Green Fins)が教える環境保護マナー
世界的な環境保護アプローチとして注目されているのがGreen Fins(グリーン・フィンズ)です。持続可能なダイビング・スノーケリングのガイドラインを定めており、誰もが今日から実践できるルールがたくさんあります。
たとえば、以下のような行動は意識できているでしょうか?
- サンゴや着底への注意
フィンキック一発で、何十年もかけて育ったサンゴが折れてしまうことがあります。
中性浮力をしっかり保つことは、自分の安全のためだけでなく、サンゴを守るためでもあります。
着底するときは、下に何もない砂地かどうかを必ず確認しましょう。 - 巻き上げ(サンドブラスト)を防ぐ
着底やフィンキックで砂を大きく巻き上げると、近くのサンゴに砂が覆いかぶさり、日光が遮られてサンゴが死んでしまう原因になります。 - 生き物に触らない・追わない
写真撮影に夢中になるあまり、生き物を追い詰めたり手で触ったりしていませんか?
触ることで生き物にストレスを与えるだけでなく、人間側に毒や危険がある場合もあります。
距離感を保って観察するのが一番のスマートさです。
プロジェクトAWARE(Project AWARE)とともに考える海洋保全
もうひとつ、ダイバーにとって身近な活動がPADI AWARE Foundation(旧 Project AWARE)です。
海洋ゴミの回収(Dive Against Debris)やサメの保護、サンゴ礁の保全など、世界中のダイバーが草の根で取り組んでいます。
ファンダイビングの最中に、目についたプラスチックゴミをひとつ拾ってBCDのポケットに入れる。
それだけでも、立派なAWARE活動の一環です。
海から受けている恩恵を、少しずつ海へ返していくような気持ちをみんなが持てたら素敵ですよね。
「もっと海が好きになる」ステップアップ講習という選択肢
ここまで「安全」と「環境保護」についてお話ししてきましたが、この2つを無理なく自然に実践できるようになる一番の近道は、実は「自分のスキルに余裕を持つこと」なんです。
- 水中で思い通りにピタッと止まれる「中性浮力」が身につけば、サンゴを傷つける心配も、無駄に体力を消耗してパニックになるリスクも激減します。
- 自分の残圧や位置、水深を落ち着いて把握できるメンタルと知識があれば、水中での景色はまったく違って見えてきます。
「講習」と聞くと、なんだか試験みたいで身構えてしまう方もいるかもしれません。
でも、本来の講習(ステップアップ)は「今よりもっと海をラクに、自由に、面白く楽しむためのノウハウを学ぶ時間」です。
例えば、アドバンスド・オープン・ウォーターコースや、各種スペシャルティコース(ピーク・パフォーマンス・ボイエンシー=中性浮力の極意など)を受けると、今まで「バタバタ泳ぐので精一杯だった海」が、「まるで宙に浮いているかのようなフライト空間」へと変わります。
自分のスキルが一段上がると、水中で観察できる生き物の種類が増え、海へのストレスが減り、結果として海を守る余裕も生まれてくる。
講習というのは、そんなポジティブな連鎖を生むためのステップなんです。
最後に
お盆休みが終わると、海は少しずつ秋の装いへと変わっていきます。
秋の海は透明度が上がり、魚影も濃くなって、実は1年の中で最も魅力的なシーズンの始まりでもあります。
これから海へ行く予定のある方も、次は秋のシーズンに潜ろうと考えている方も、ぜひ「安全の準備」と「海へのちょっとした思いやり」をログブックや器材バッグと一緒に持っていってください。
事故なく、笑顔で「今日の海も最高だったね!」と言って帰ること。
そして、私たちが遊ばせてもらった海を、入る前よりも少しきれいにして上がってくること。
そんなダイバーが増えていったら、これ以上嬉しいことはありません。
残りのお盆休みも、みなさんが安全で素晴らしい海の時間を過ごせますように!
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満員御礼!スタッフも全員海へ!
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